軽井沢町の景観条例と外構との関わり

◇軽井沢町の景観条例と外構との関わり◇


軽井沢町(かるいざわまち)は、長野県の北部、標高約1,000メートルに位置し、四季折々の美しい自然景観を持つことで知られています。特に、別荘地やリゾート地としての歴史が深く、豊かな自然環境が観光業の重要な資源となっています。しかし、観光地や別荘地としての発展と共に、町の景観を損なう可能性がある開発や建築が進むことも懸念されています。このため、軽井沢町では景観条例が制定され、町内の景観を守るための厳格な規制が設けられています。その中でも、建物の外構(エクステリア)は景観に大きな影響を与える要素であり、景観条例における重要な部分を占めています。


今回は、軽井沢町の景観条例における外構の規制について、具体的な内容や実際の影響をなるべく詳しく解説します。外構のデザイン基準や規制がどのように景観条例と関連しているのか、またその規制が地域の景観や住民、観光業に与える影響についても探ります。



● 軽井沢町の景観条例の背景と概要

軽井沢町は、明治時代から別荘地として発展し、自然環境を重視した町づくりが進められてきました。特に、四季折々の美しい風景や雄大な山々、清らかな川が町の魅力の一部となっています。これらの景観は観光業や不動産業にも大きな影響を与え、軽井沢のアイデンティティを形成する重要な要素となっています。


しかし、開発が進む中で自然環境が破壊されたり、周囲の景観と調和しない建物が建設されたりするリスクが増えてきました。これに対処するため、軽井沢町は1990年代に景観条例を制定し、景観の保護に関する具体的なルールを設けることとなりました。この条例の目的は、町内の自然景観や文化的景観を保護することにあり、特に建物の外観や外構部分に関する規制が強化されています。


軽井沢町の景観条例は、地域全体の景観を守るために、特定の地域ごとに景観計画を策定し、それに基づいて開発や建築の許可を出すという仕組みです。外構(エクステリア)は、建物本体と並ぶ重要な景観要素であり、そのデザインや配置、使用素材に関して厳格な基準が設けられています。


●外構と景観条例の関係


外構とは、建物の外部に設置されるさまざまな施設や構造物を指し、庭、フェンス、アプローチ、門、駐車場、照明などが含まれます。これらは建物の外観と同様に周囲の景観に大きな影響を与えるため、軽井沢町の景観条例では外構のデザインに関しても詳細な規定を設けています。


1.外構のデザイン基準

軽井沢町では、新たに建築される建物の外構や、既存の外構を改修する際にも、一定のデザイン基準を守ることが求められます。これらの基準は、町全体の景観を統一的に保つために非常に重要です。外構のデザインが周囲の自然景観や他の建物と調和し、無秩序な建物や外構が作られないようにすることが目的です。


・素材の選定

軽井沢町では、外構に使用する素材についても規定があります。地域の自然景観を守るため、外構の素材には【木材】、【石材】、【レンガ】などの自然素材が推奨されています。コンクリートやアルミ製などの人工的な素材は、周囲の景観と調和しにくいため、使い方に工夫が求められます。例えば、舗装道路やアプローチの部分では、自然石やレンガを使ったデザインが好まれ、人工的な土間コンクリート舗装は極力避けられる傾向にあります。


・色彩の調和

外構に使用する色彩は、建物や周囲の自然環境と調和を取ることが求められます。特に、目立ちすぎる色使いや派手なデザインは避け、自然の色合いを重視した色選びが推奨されています。例えば、フェンスや門、舗装の色合いも、木々の緑や地元の土壌に合わせた落ち着いた色合いにすることが一般的です。


・形状とデザイン

外構のデザインは、その土地の地形や周囲の環境に合った形で設計されることが求められます。特に軽井沢町は起伏の多い地形を持っているため、外構設計には土地の特徴を活かしたデザインが求められます。急勾配の土地に階段状のアプローチを作る際には、過剰に人工的な印象を与えず、自然の流れを尊重したデザインが重要です。



2.外構の特定の要素に関する規制

外構の中でも特に重要な要素が、フェンス、門、照明などです。これらの要素は、直接的に景観に影響を与えるため、景観条例においては細かな規制が設けられています。


・フェンスや門の設置規制

軽井沢町では、外構として設置されるフェンスや門についても規制があり、その高さやデザインには制限があります。高すぎるフェンスは、景観を遮るため避けるべきとされ、通常、1.5メートル程度の高さが基準となっています。また、フェンスや門のデザインに関しても、装飾が過剰にならないように配慮され、シンプルで自然な素材が好まれます。アルミ製のフェンスやコンクリートの塀などは、景観に馴染みにくいため、木材や石材が使用されることが多いです。


・植栽や緑化

軽井沢町の自然環境を守るため、外構には適切な植栽が求められます。地元の植物を使用することが推奨され、外来種の植物の使用は制限されることがあります。また、外構内の緑化面積が一定の割合を占めるように求められる場合もあり、特に住宅地や新しい開発地区では、一定の緑化率を確保することが義務付けられることがあります。これにより、町の自然景観が守られ、住民にも美しい環境が提供されます。


・照明の規制

外構に設置される照明にも規制が設けられています。過剰な照明や強い光を発する照明器具は、町の夜間景観に悪影響を与えるため、控えめな照明デザインが推奨されています。また、照明の配置や明るさにも配慮が必要で、周囲の自然景観や他の建物と調和するように設置されるべきです。


3.外構と周囲の景観との調和

軽井沢町の景観条例では、外構が周囲の景観と調和することが最も重視されています。外構が周囲の自然や建物と調和していなければ、景観が損なわれることになります。例えば、過剰に高いフェンスや壁が設置されていると、周囲の風景が遮られ、自然とのつながりが失われてしまいます。そのため、外構設計には「調和」がキーワードとなり、自然環境との調和や周囲の建物のデザインとの調和が求められます。


▲景観条例による外構規制の実施例と効果▲

軽井沢町での外構規制について、具体的な住宅開発や改修事例があり、例えば、軽井沢町内で新たに別荘地が開発される際は、開発業者は景観条例に従い、外構のデザインを決定します。土地の整備が行われる際には、自然地形を活かしたデザインが求められ、また、外構の各要素(フェンス、門、庭、駐車場、照明など)が周囲の環境に調和するように設計されます。

これにより、開発されたエリアは周囲の自然景観と違和感なく溶け込み、住民や訪れる人々にとって快適で美しい環境が提供されることになります。また、外構のデザインが景観条例に基づいていることで、町全体の景観が統一感を持ち、観光地としての魅力も高まります。


●まとめ

軽井沢町の景観条例は、町内の景観を保護し、地域の自然環境や文化的景観を尊重するための重要な枠組みです。その中で、外構(エクステリア)のデザインと規制は、町の景観を守るために欠かせない要素となっています。外構の素材選定やデザイン、植栽や照明などに関する規制は、軽井沢町の自然環境や他の建物との調和を保つために重要な役割を果たしています。

外構のデザインには、町全体の美しい景観を守るための意識が必要であり、景観条例によってその基準が定められています。そして施主や各業者がこれらの知識と理解を深めることで軽井沢町の風景がこれからも守られていくことを願います。


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今回の内容をご覧いただき、一つのご参考にしていただければ幸いに思います。

最後までご高覧いただきありがとうございました。

                   有限会社アルティコ


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