◇庭木の種類、選び方とメリット
エクステリア・外構を考える際に庭木を入れるか入れないかで迷われている方が多くいらっしゃいます。「緑は取り入れたいけどメンテナンスが大変そう、虫がきらい、枯れ葉の処分が面倒、などなど…」近年では緑化活動を促進、支援する市町村や団体が増えてきましたが、実際に自分の家の庭に木や下草を率先して入れるかどうかは後々のことを考えると気が進まず、むしろ入れないほうが手入れも楽でいいと思う方もいるとは思います。
ですが、庭木のメリットは見た目や雰囲気だけではありません。
今回は庭木の種類・庭木の選び方・マンション・アパート暮らしでは得られない庭木(自然)のメリットをご紹介します。
※庭木とは庭に植える樹木のことで、視線を遮る目隠し生垣やシンブルツリーなどの景観目的の樹木の総称です。
◇庭木の種類
常緑樹
・常緑樹は一年中緑の葉を保つ木で冬でも葉がついているので目隠しとして重宝され、冬場も彩りや存在感がある為シンボルツリーにも多く使われます。
葉は厚みがある種類が多く、枯れ葉(落ち葉)は風で舞いにくい為、風で舞いにくく散らかりにくいです。
落葉樹
・落葉樹は春に葉が出て夏は木陰(こかげ)を作り、秋に葉が色づいてから冬に向けて葉を枯らします。
季節ごとに表情があるので四季を感じやすく、人の五感を磨いてくれます。
新芽は春の訪れを知らせてくれ、夏は木陰を作り、
秋にはキレイな紅葉を見せてくれて、冬には日に光を通してくれます。
落葉シーズンになると枯れ葉の片づけが大変かと思いますが、葉の小さいイロハモミジのような枯れ葉は落葉した後に水分が飛びカラカラに丸くなるので枯れ葉処理は比較的楽です。
針葉樹
・針葉樹は針状の葉が特徴で、主に常緑樹が多く目隠しやパーテーションのように空間の仕切りに使われます。コニファーという円柱型に成長する種類が人気。はじめは小さくかわいいが種類によっては5、6mほどになるものもあるのでホームセンターなどで買う場合は良く調べる必要があります。
高木・中木・低木
庭木は種類が非常に多く常緑樹・落葉樹・針葉樹と分けられていますが、その中で高木は3m以上、中木は3m未満、低木は1m未満と大きさでも分けられます。
◇庭木の選び方
庭木の種類は非常に多くありますが、住宅で植えられる木の種類は限られてきます。その中でどのような場所、目的があり、それに合う木をどのように選べば良いのかを順を追って考えながらご紹介いたします。
場所(環境)
庭木も生き物なので、元気に生きられる場所とそうでない場所があります。
細かく分けると、陽当り・風・土性(土質)です。
木には陽樹と陰樹があり、陽を好む木と日陰を好む木があります。
その場所の陽当りが良いか悪いかを知ること。
風が強く吹きやすい場所や、北風、地域によって異なる風向き(※1)を知ること。
土性(どせい)、粘土質で水捌けの悪い土や、山砂のような保水性の良くない土など、その土地の性質を知ること。(※2)
庭木を植える場所を知ることで、枯れてしまったり、思うように育たず見た目がさえないお庭になってしまう事を回避できると思います。
(※1) 長野県の佐久市内では冬から春にかけ、西からの強い風が吹きます。生垣でよく植えられるとても丈夫な種類のレッドロビンも枯らしてしまうほどの冷たい風が吹きます。
(※2) 土性が良くない土地でも植栽が出来ないわけではありません。木を植える周囲を黒土(バーク肥等)などに変えたり、水たまりになってしまうような土地は地中に水の流れを作る工事などの手段もあります。
目的
庭木をどのような目的で入れるか、
シンボルツリー、目隠し、庭木、雰囲気作り空間埋めなど
何かしら植栽目的があると思います。
その目的に適した植栽を入れることで満足感と愛着の湧き方違ってきます。
アプローチや玄関前に植えるシンボルツリーなら程よい大きさで大きくなりすぎないのがポイント。目隠しならば常緑樹で葉が横に広がりやすい樹種を選ぶなど、場所(環境)の制限もありますが目的に合った植栽を入れる必要があるかと思います。
また、和風洋風の雰囲気づくりにも庭木は適しています。
和風ならモミジやシャクナゲ、ツツジなど、
洋風ならコニファー類やシマトネリコ、ヤマボウシなど
建物の雰囲気に合う、またはご自身のイメージに合う庭木を選ぶことも大切なポイントだと思います。
場所(環境)と目的(要望やイメージ)を把握したうえで最適な庭木を取り入れていただけますと幸いです。
◇庭木の最大のメリット
●ガーデンセラピー~Therapeutic garden~
庭木を入れる最大のメリットはガーデンセラピーの恩恵が受けられることです。
庭木の1本や2本でもガーデンセラピーのような効果が得られます。
●そもそもガーデンセラピーとは
庭木などの自然と触れ合うことで
単に病気を治すだけではなく病気にならないような生活を送ること。五感を刺激することで脳を刺激しストレスを軽減させ、自律神経が整う作用があります。ストレスや病気になるリスクを軽減させ、健全な体の維持や精神的な快適性向上を目指す療法です。
近年ではオフィスビルやショッピングモール、マンション集合住宅など、新しく建てられる施設などには自然が多く取り入れられています。
自然(緑)から得られる恩恵はその中で過ごす時間と比例すると言われていて、週に1回公園やショッピングセンターやホームセンターなどの自然ふれあいコーナーに行くよりも、日々の生活の中(庭)で自然に触れ合うほうが五感は刺激されます。
●庭木のメリット
重要なのは本人が植物(自然)に触れて心地よいと思うことです。
シンボルツリー1本でも日々の生活の中で一瞬視界に植物が入ることで、植物の成長に気が付いたり、春や秋には新芽や紅葉を五感で感じることが出来ます。
庭に出ると
・日の光/視覚 ・葉擦れの音/聴覚 ・風/触覚 ・吸い込む空気/味覚 ・土や雨のにおい/嗅覚
五感すべてで感じることができる瞬間を日々の生活に取り入れることが庭木の最大のメリットです。
・自然と感じて安らぐような気持になることは生き物としては当たり前のことで本能的に体が感じとっていることです。
・お子様を育てる環境に自然を取り入れると五感と感性が豊かになるという研究結果が出ていおり、五感と感性は3歳までにおおよそ備わると言わせているので、公園や学校よりも、
家に植栽があることが大きなきっかけになると思います。
・木からは芳香物質(フィトンチッド)が出ていて、リラックス作用、血圧低下作用があり、森林浴にハマる方は、木から出ている芳香物質を取り入れるのがうまい方なのかもしれません。
・庭木を植えることで外への関心が高まり子どもに活力を出させることもできるかもしれません。実際にリフォーム工事で花壇と植栽を作らせていただいたお客様は子どもが土いじりにハマったと教えてくださいました。
■まとめ
庭木は玄関周りに1本入れるだけでも建物に温かみが感じられ、庭に1本入れれば日々生活の中で自然の温もりを視界的に感じることができます。デメリットよりもメリットを多く知っていただき、マンション暮らしでは得られない家庭「家と庭」の豊かな生活をエクステリアを通して送っていただけましたら幸いです。
植物なので定期的なメンテナンスは必要になりますが、樹種を選べば比較的ローメンテナンスな庭木も可能です。
また、建売住宅では外構に庭木を入れた方が人気があり、売れやすくなったというデータがあるそうです。
自身で外構を考えると庭木などは控えてしまいがちですが、庭木の入った整った外構をしっかりとイメージできればデメリットよりメリットを大きくとらえることができるのだと思います。
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外構・エクステリアは決して安い買い物ではないので、今回の内容をご覧いただき、一つのご参考にしていただければ幸いに思います。
最後までご高覧いただきありがとうございました。
有限会社アルティコ
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