◇アプローチやお庭の床の材料・種類について紹介します。
・今回は土間コンクリートについての説明です。
土間コンクリートはシンプルかつスタイリッシュな見た目で耐久性に優れた舗装方法です。そのため、駐車場や玄関アプローチに多く使用されています。土間コンクリートのメリット・デメリットと、完成させるまでの工程についてご紹介させていただきます。
※土間コンクリートの「土間」とは、主に床面に施工することや平坦なことを「土間」といいます。材料であるコンクリートは、生コン屋さん(コンクリートのプラント)から購入し、主にミキサー車で現場まで運んでもらい、打ち込みます。
※コンクリートは「打つ」とよくいいますが、打込むという由来は、コンクリートは流し込むだけではコンクリート内の空気が残ったまま固まってしまい多孔質となって、密度、強度が低く、耐久性の低いモノになってしまいます。その為、コンクリートをたたく(打つ)ことで空気を出し密度、強度を上げる必要があることからコンクリートは「打つ」というようになったそう。
◇土間コンクリートとは
コンクリートは耐久性に非常に優れているため、車などの重量物に耐えるので、幅広い用途で使われています。
スリットやアクセントとしてレンガなどを入れることで意匠性を高めることも可能な材料で、構造としては、地面、砕石、コンクリートの3層構造になっており、コンクリートの中にはワイヤーメッシュ(鉄筋)を入れることで強度を高め、ひび割れ防止にもなります。
・断面図
表面は薄い灰色で、テカテカで平らに仕上げた「コテ仕上げ」や、滑り防止になる細かなザラザラ筋を入れる「刷毛引き仕上げ」などの仕上げ方法があり、職人の腕が試されるところになります。
またクラック(ひび割れ)防止の為、伸縮目地やカット目地を入れたり、目地やスリットなどで周りのアプローチや門柱などの合うデザインを加えることができます。
メリット
・強度が高く、耐久性に優れている。
・メンテナンス、掃除、雪かきが楽。
・雑草が生えない
デメリット
・施工が高額。
・クラック(ひび割れ)が起きる
◇施工手順◇
土間コンクリートは砕石層作りから型枠建て、土間コン打ちの順番で施工していきます。※施工期間12~16日ほど(車2台分約30㎡)
①施工範囲の土を掘削搬出処分
初めに施工範囲の土の掘削搬出処分を行います。
※堀の深さは土質(粘土質、砂質土)や、凍結深度の範囲と日当りによってケースバイケースで定めています。
*凍結震度についてはこちらの記事をご覧ください。*
堀を進めていく最中で地層の性質(黒土、粘土質など)なども今後の施工の助けになるのでチェックしておきます。
②砕石入れと締固め
掘削搬出処分をしたら、掘った範囲に砕石を入れ、砕石層はおおよそ15㎝ごとに転圧をし、砕石層の地盤を固めることで沈下しない地盤を作ります。上場の砕石層はコンクリートがハンチ状になるように砕石を成形した後、転圧します。コンクリートをハンチ状に打つのは寒冷地や傾斜地の特有でシミ上がりやズレ防止(割れ)の為です。必要のある地域や環境ではマストで、長くきれいに使っていくには重要なポイントです。
③型枠建て
砕石層が出来上がったら型枠建てをしていきます。
型枠建ては施工する土間コンクリートの寸法に合わせて型枠の板をカットし、一つ一つ組み合わせて作ります。土間コン以外にも階段やスロープ、複雑な形のコンクリート枠のほとんどが1から型枠を作っています。型枠職人といわれる方もいらっしゃるほど難しい工程です。
④伸縮目地やアクセントを入れる
型枠が建ったら伸縮目地やアクセントを入れます。伸縮目地は主に黒か灰色。
アクセントには、レンガやインターロッキングなどを使用します。アクセントは土間コンクリートを打ち込む前にモルタルで固めておきます。
⑤ワイヤーメッシュ(鉄筋)配置
型枠の中にワイヤーメッシュを敷き詰めます。ワイヤーメッシュの下にはスペーサーを入れ、ワイヤーメッシュを浮かせてコンクリートの中心で固まるようにします。
⑥コンクリート打込み
コンクリートを流し込みます。主に一輪車などで流し込んでいきます。※範囲が広い場合や、入り組んだ場所を施工する際はポンプ車でコンクリートを流し込んでいきます。
コンクリートを均しながらバイブレーターで振動を与え、コンクリート内の空気を抜くことで密度を高めます。表面をコテで押さえて整えたら、少し時間を置き表面が水っぽくなってきたら仕上げを行います。仕上げにはいくつか種類があり主に駐車場は刷毛引き仕上げをお勧めしています。
⑦養生・型枠バラシ
打込み終わったら5~7日間養生をします。コンクリートが完全に固まるには1年間ほどかかるといわれていますが、一般的な乗用車を乗せる土間コンクリートであれば6日間ほどで十分な強度が出てきます。型枠はある2、3日でバラシ、埋め戻しをして完了です。
◇土間コンクリート仕上げの種類◇
①刷毛引き仕上げ(はけひきしあげ)
刷毛でコンクリートの表面をなでることで、刷毛の筋が付き滑り止めの効果があります。駐車場は基本刷毛引き仕上げをお勧めします。
②金鏝仕上げ(かなごてしあげ)
コテでコンクリートの表面をツルツルの状態に仕上げる方法です。駐車場の一角を金鏝で仕上げてアクセントにしたり犬走や家の周り、室内の土間に使われます。見栄えは良いですが滑りやすいのが難点です。
③洗い出し仕上げ(あらいだししあげ)
コンクリートが固まる前に表面のモルタルをスポンジなどで拭き取りコンクリートの中の骨材(石)を表面に出す仕上げ方です。石の種類を変えることで色や印象を変えることができ、見栄えやデザイン性に優れています。石が表面に出ているので滑りずらいですが手作業で拭き取るため施工費は比較的高くなります。
④スタンプコンクリート・ステンシル 石調/木調/レンガ調仕上げ
コンクリートが固まる前に表面のモルタルに型を押し付け、スタンプすることで石の模様を表現して色付けを行うスタンプコンクリート。
コンクリートが固まる前に表面にステンシルシート(柄に切り抜いたシート)を敷き色付けや模様をつけるステンシルコンクリート。
⑤塗装仕上げ(とそうしあげ)
プラスチックコテなどでコンクリートを固めた後、専用の塗料を塗って仕上げる方法です。
ガレージなどの室内や古く割れなどがある土間コンに施工し綺麗にする場合が多いです。油などのオイル漏れや汚れに強くなります。
■まとめ
メリットやデメリット、施工方法を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
それぞれの材料や施工方法によってメリットとデメリットがあり、予算やデザイン、機能性などによって最適な舗装を選んでいただければと思います。
土間コンクリートは駐車場や進入路など耐久性が求められる箇所によく使用され、長くお使いいただける耐久性とメンテナンス(掃除)の面ではとても高評価なのではないでしょうか。今回の内容をご覧いただき、一つのご参考にしていただければ幸いに思います。
最後までご高覧いただきありがとうございました。
今回の内容をご覧いただき、より外構への関心を深めていただければ幸いです。
最後までご高覧いただきありがとうございました。
有限会社アルティコ
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